テーマ:LGBTQの基礎知識とトランスジェンダー(性同一性障害)
当事者の困難について
講師:黒部 美咲さん
黒部さんは、一般社団法人gid.jp 日本性同一性障害と共に生きる人々の会九州支部 支部長で、性同一性障害(トランスジェンダー)当事者でもあります。生まれたときは男の子の身体で生まれるも、性別適合手術を受けて、現在は戸籍上の性別も本来の性別である女性になっています。メディアへの出演、講演活動、交流会の開催、当事者やそのご家族・ご友人からの相談などの活動を行なっているとのこと。
LGBTとは? ・L(レズビアン)女性同性愛者
・G(ゲイ)男性同性愛者
・B(バイセクシャル)両性愛者
・T(トランスジェンダー)肉体的性別と心の性別が一致しない人たちの事
LGBT以外のセクシャリティは、Q(クエスチョニング)自分の性的指向、性自認がわからない人、定まってない人などで、性的マイノリティの人の割合は日本の人口のおおよそ8〜10%と言われています。ちなみに、左ききの人は9%と言われています。
トランスジェンダーと性同一性障害には違いがあって、トランスジェンダーは、身体的性別と心の性別に違和感がある人、性同一性障害(性別違和)は、身体的性別と心の性別に違和感があり、その状態を専門的知識を持った精神科のお医者様に診断されると性同一性障害と言われます。
現行法においては診断書がないと戸籍の変更等はできません。
黒部さんは、性不適合の幼少期からの葛藤や家族にカミングアウトして女性として生きていくことを決意されたことなどを語られ、トランスジェンダー当事者の困りごととして、
・トイレや更衣室(心が女性だとしても女子トイレに入ることはない)
・公的身分証が必要な場面 (特に見た目と戸籍上の名前、性別が違う場合)
病院、役所、レンタルDVDショップ、投票所(選挙時) 等で不審の目で見られる。
・社会での差別や偏見があること
・家族や友人になかなか相談できないことを挙げられました。
講演の最後に、当事者の全てを理解するのは難しい、でも理解しようとする努力、相手にできるだけ寄り添おうとする気持ちは忘れずに持ち続けてもらえたら嬉しいですと呼びかけられました。