1月14日(金)
人権講座
「新型コロナウイルス感染症に関する人権問題」
講師:河原 行孝さん
(人権教育推進員)
オミクロン株による新型コロナの流行が心配されますが、感染していることが分からず、その間にうつしてしまうのが怖いです。感染者は3億1000万人(死者は540万人)を超え、現在も増加中です。日本も180万人を超えました。サーズやマーズの比ではありません。変異株の名称に国名が使用されることによる偏見への懸念からギリシャ文字が名称に使うことになりましたが、かつてのスペイン風邪は最初に発見されたのはアメリカでした。このまま感染拡大が収まらなければ今のワクチンが効かない変異株が出現する可能性はあるわけで、ワクチン接種で抗体ができれば「感染しても発病しない」「発症しても重症化しない」割合が格段に大きくなります。子供たちへの接種と3回目の接種が課題ですが、海外の報告では、副反応の割合は低く、接種後の抗体の減少は必ずあるので3回目の効果はあるとされています。治療薬も開発されていますが、治験が進んでおらず、点滴による「抗体カクテル療法」が承認されました。また、後遺症に苦しむ人が報告されており、感染半年後でも26.3%の人に何らかの症状(うつ等)がありました。
こうした中で、新たな人権問題も起こっている。ワクチン接種の強要や打たないことでの不利益的取り扱い。高齢者施設で「接種しないのであれば退所して欲しい」と言われた等。一方、ワクチン反対を他人に押し付ける行動も。周りの人に打つことを強要してはいけないし打たない(打てない)ことで不利益を与えてはいけない。マスクの効果を再確認し、WHOから終息宣言が出るまで、マスクの使用や手洗い(アルコール消毒)など感染対策を続けましょう。