2020年1月27日月曜日

人権講座

1月25日(土)
「やさしいまちづくり」
障がい者や子どもの人権について
 
講師:池田 良子さん
(いきいき子どもネットワーク代表)
 


池田さんと障がいをもつ子との出会いは、病気で別府の国立病院に入院していた頃のこと。同じ病室にいた子を最初は怖いと思い、何を言っているのか分からなかったが、一緒に過ごすうちに何を求めているのか分かってきたという。このことがきっかけとなって、教職の道に進むことになるのですが、今回は障がい者の人権について分かりやすくお話していただきました。
障がい者には心臓に病気を抱えているなど、見ても分からない人もいるし、日本には障がいのある人は約936万人(人口の7.4%)で、その割合は年々増えている。1981年(昭和56年)「国際障がい者年」の前頃から障がいがある人も一緒に暮らせる社会にしようと、ノーマライゼーションの理念が広まってきた。2013年に「障がい者差別解消法」が制定され、2018年には障がいを理由とする差別をなくし、障がいのある人もない人も共に生きるまちづくりをするための「福岡市障がい者差別解消条例」もできた。しかし、このことを知らない人が多く、約9割の障がい者が「差別・偏見は改善していない」と感じている。今、裁判で注目されている、2016年の相模原事件で「生産性のない障がい者は守れない」という考えに対して、ある親は「この子がいるから自分達は頑張ろうと思う。このことは生産性が無いと言えるのでしょうか」と述べられてることを受け止めたいと思う。
障がい者との関りを持たない理由として、「困っている障がい者を見かける機会がなかったから」が8割にのぼるわけですが、手助けの経験がある人は6割はいるわけで、障がいに対する配慮を欠いた社会の制度面のバリアだけでなく、「かわいそうな人たち」「自分には関係ない」「どうせできないだろう」という心のバリアをとりのぞいて、共生社会の実現をはかりたい。と結ばれました。