「人権講座~みなさんの優しさに感動!!~」
講師に、太極拳インストラクター 王子(おうし)敏(びん)(ワンズミン)さんをお迎えして、西区生涯学習推進課 久田史規さんのインタビュー形式で開催しました。中国東北地方瀋(しん)陽(よう)(昔の奉天(ほうてん))の出身。芸術大学教授の時、日本語を学ぶために2003年に来日、それから20年。趣味は写真(写真展で多数入賞)。
来日して文化の違いにまず驚いたのはトイレの並び方。中国ではトイレのドアの前に立って待つが、日本ではトイレの入り口に並んでいて、成田空港で中国式にトイレに行って怒ったような強い視線を感じた。日本人の並びは、美しき並びの文化と言っていいし、並ぶのは効率的でもあると思う。バス待ちや災害時の水くみに並んでいる姿を見ると、苦しいことがあっても日本人は立ち上がることができると思う。
何より驚いたのは、医療制度の違い。中国には日本のような医療保険制度はなく、町医者のような専門医のクリニックがない。病院では、支払いは前払い。政府高官や富裕層は優遇され、庶民は費用がかさむと、高額医療は受けられなくなる。
一番つらかったのは、昨年母が亡くなったこと。コロナで航空運賃は高額な上に、入国に隔離などで1ヶ月もかかるので、帰国をあきらめ、やっと今年になって墓参りに行った。
一番うれしかったことは、永住権が取れたこと。観光で来日した甥の家族が行く先で親切にされ、弱い人困っている人に手を差し伸べる日本人が好きになった。コロナ時に太極拳サークルの教室が中止になって収入の道が閉ざされた時、生徒さんたちから、教室をしていないのに前払いの書留を送っていただき感激した。日本に来たのは本当に正解だったと思っています。
講演の終わりには、凛とした立ち姿で太極拳の演武を披露していただきました。