2020年9月14日月曜日

かがやきセミナー

   9月12日(土)

「男女共同参画で新しい生活様式を広げよう」
男女共同参画とは何か
講師
池田 良子さん
(いきいき子どもネットワーク代表)


 男女共同参画社会基本法が平成11年(1999年)に制定されて20年。男女平等の実現に向けた様々な取り組みが進められてきましたが、その現状を踏まえて、男女共同参画について改めて学習する機会を持ちました。以下、池田さんのお話をまとめました。 生まれた時は「けっ、女だったか」と祖父に言われ、周囲からは「女のくせに」「小さいくせに」、先生からは「こざかしい」、生徒会長に立候補すると「女は副会長」とも言われて悔しい経験をしてきたという。

 男女共同「参画」とは、仕事をしてきた男性、家事育児を主に担ってきた(介護も)女性、それぞれの気づきで、いろんな社会活動の中で共に「参加する」「企画する」ことだとのこと。福岡市男女共同参画基本計画(第3次)では、①働く場での女性活躍の推進 ②仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進 ③地域における女性リーダー育成と男女共同参画の推進 ④男女平等教育の推進 ⑤配偶者からの暴力(DV)の防止及び被害者の保護 ⑥市の施策・方針決定過程への女性の参画推進 という施策を重点的に取り組むことになっています。

 女性に関する事柄で人権上問題があると思われるものは、DV、家事・育児などの固定的な性別役割分担性暴力セクシュアルハラスメント差別待遇があげられます。共働き世帯は昭和55年(1980年)の614万世帯から令和元年(2019年)の1245万世帯へと倍増していますが、女性の出産後の継続就業は依然として困難です。働きながら安心して子育てしずらいため、第2子・第3子を産まないと言われています。男女間の給与格差は男性を100とした時、女性は75程度で、男性が育児休暇をとれば家計にひびくことになります。2120万人の非正規労働者のうち約70%は女性が占めています。

 法律ができたことで、課長などの役職者に占める女性の割合(民間企業の課長級で11.4%)は意識をすることで伸びてきていますが。「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」(2018年)が成立しても、衆議院議員10.1%、参議院議員22.6%、地方議会でも13.1%です。地域における諸団体の長への女性の参画率も目標とする30%には程遠い。これは、性別の役割分担意識や「長は男でなきゃね」という風潮が依然としてあるからと言われています。

 また、年間2万人を超える自殺者の男女比は、おおむね男性が女性の2倍超となっています。このことは男性も生きぐるしい社会を反映しているのではないでしょうか。男女平等が実現しないかぎり、社会問題は解決しないと言えます。まずは家庭から、そして地域から男女共同参画に取り組みましょう。

*自殺予防週間 9月10日~9月16日