10月15日 人権講座
人権尊重/人権擁護の視点から考える「男女共同参画」
講師:西区生涯学習推進課主査 石橋 久嗣さん
男女共同参画について、分かりやすく解説していただきました。
男女共同参画社会基本法に述べられている男女共同参画をわかりやすく言い直すと、
①男と女は社会の中で対等な立場。
②社会の中で何かやりたいと思ったら、
「女だからダメ」とか言われずに、やってみるチャンスがある。
③そんなアクションを起こすことで、
女は男と同じようにいろんな面でメリットを得られるし、責任も引き受ける。
「男女共同参画」は、内閣府男女共同参画局の英訳では、Gender(性)equality(平等)
つまり「男女平等」ってこと。
日本国憲法第14条では、
「すべて国民は、…性別、…により、…政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」
でも、性別による差別は本当にないのでしょうか。
政治では、議員の男女比は女性は10%、なぜ立候補しないのでしょうか?
経済的関係では、経営者の男女比は、大企業ほど経営者は男性。
非正規雇用では、女性は54.4%、男性は22.4%。
共働き世帯と専業主婦世帯の昭和60年から令和3年の推移を見ると、
共働き世帯は718万から1177万世帯へと増加し、
専業主婦世帯は936万から458万世帯へと減少しています。
共働き世帯が増えたとはいえ、妻がパートの世帯が228万から691万世帯へと増えているのです。これは、配偶者控除での「103万円の壁」や社会保険上の「106万円の壁」という制度上の問題点が影響しています。
社会的関係では、家事や介護や子育ては男女どちらがしていますか?自治会長は?DVやハラスメントはなぜ止まらない?男女別に見た1週間の無償労働時間は、女性224分に対して男性41分。職場に男は縛られている現実。世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数で日本は、146か国中116位。健康と教育では世界トップクラスですが、世辞参加と経済参画の値が低いためです。
どうすれば差別をなくせるのか、社会学者の上野千鶴子さんは『女の子はどう生きるか』の中で、「少しずつ自分のいる場を変えていくこと…ひとりだと難しいけど、仲間がいると力になります。」と。石橋さんは、子どもたちや孫たちにどんな社会で生きてほしいかを考えると、身の回りのことから変えてみる、仲間をつくる、変えようとしている人を応援しましょうと呼びかけて、講演は終わりました。